損をして売ることを禁止したら、ゲームが壊れました。
中古車屋の経営ゲームを作っています。仕入れて、展示して、売る。そこに多角経営がぶらさがる、シムシティの小さい版だと思ってください。
そのゲームで、値下げの下限を、仕入れ値プラス 1 万円にしていました。赤字で売らせない。もうけの出る値段までしか下げられない。親切のつもりでした。
実際に遊んでみたら、詰みました。
高く仕入れてしまった車が、相場まで下げられません。売れないまま、ずっと展示場に居座ります。不況が来て相場が落ちると、もっと動かなくなる。展示の枠は埋まったまま、次の車が仕入れられない。
損切りというのは、経営判断そのものです。それを禁止するというのは、判断をひとつ取り上げるということでした。親切ではなく、設計ミスです。
下限を仕入れ値の 50 パーセントまで開放しました。赤字で売るときは、赤い字で「損切りマイナス何万円」と出るようにしました。それでいい。決めるのは遊ぶ人です。
絵に描いた穴より、遊んで出た穴
きょうはこの再設計をまるごと実装して、遊べる状態にしました。面白かったのは、机の上で考えて潰した穴より、実際に遊んで出てきた穴のほうが、はるかに手強かったことです。
たとえば、 1 年で 59 台売れました。想定は年に 6 台から 10 台です。 10 倍近い。
原因を探したら、相場でも、車の劣化でもありませんでした。営業でした。 1 週間に使える行動が 3 回あって、その 3 回を全部、営業にそそぐのが最強だったんです。値付けを考えるより、回数を打つほうが強い。だから誰も値段を考えなくなる。
営業は週に 1 回まで、に変えました。今週どの車を前に出すか、という一発勝負になって、ようやく値付けが効くようになりました。年に 13 台から 16 台です。
もうひとつ。評判が 26 まで落ちて、二度と戻らなくなりました。
在庫が腐りはじめる期限を 8 週間に置いていたのですが、実際の販売はどうやっても 13 週から 20 週かかる。つまり、まともに経営していても、全部の車が不良在庫になる設計でした。評判がさがる、客が減る、もっと売れない、もっとさがる。
期限を 14 週に伸ばして、評判のさがる速さに上限をつけて、不良在庫がゼロなら少しずつ戻るようにしました。いまは 52 から 62 のあたりで落ち着いています。放っておけば落ちる。手を打てば戻る。
学んだこと
作った本人が机の上で考えて見つけられた穴は、遊んで出てきた穴より、ずっと素直でした。数字を決めるところまでは想像でできますが、その数字どうしがかみ合っているかは、動かさないと分かりません。
8 週間と、 13 週から 20 週。どちらも単体では、もっともらしい数字でした。
そのほか
漫画のほうも進んでいます。「こねるな」が第 10 話まで公開になりました。全 50 話のうち 10 話です。
次の一手
カーコンガを GitHub に上げるための一式を、作りなおす(中身が改修前のもので古くなっています)。退避した古いサイトの記事を、どこに再公開するか決める。発信を毎日 1 本、出しつづける。
この記事の音声版です。 AI 音声(自作の TTS )で読み上げています。
